「そういえば、優愛さんと遊んでいたときだったよね。わたしがおもちゃを投げて窓ガラスを壊したのは」

どうして、こんなことを言っちゃたんだろう。

わたしは口にしてからしまった、と後悔した。

きっと、知りたかったのだとは思う。

本当に窓ガラスは割れていないのかということを。

今日は7月の17日。

わたしが窓を割る数日前であることは、ちゃんと理解している。

それでも、海斗くんの口からそんな事件は起きていないということを、わたしは確認したかった。

直接そんなことは聞けないから、こうして遠回りな方法を選ぶしかなかったのだと思う。

「そういえばそんなこともあったよな。おれたちが小学校に入ったばかりのときだったか?」

「うん、それくらいのとき」