一日経ってもまだ、自分の感情はがふわふわと浮いているみたいだった。



「ねぇ杏花、私は今日これでも本気でタンバリンを持ってこようと息巻いてたの。家に無かったけど」

「………」

「いや嘘よ?本気じゃなくてね?少女漫画並みの展開にウキウキしてるのは確かなんだけどね?」

「………」

「…あらま無言…。ま、まぁ、杏花が言うなら張り切ってタンバリン叩くけどっ」

「………」

「………3日くらい練習させてもらえたら…」

「っ!ごめん瑠璃ちゃん、微妙に聞いてなかった!なんだっけ、タンタンメン?辛そう!」

「微妙どころか全く聞いてない!?」



昨日、確かに千歳くんが家に来た。

今日の朝、確かに千歳くんは家にいた。


ついに同居生活が始まった。それは紛れもない事実なのだ。



「どうしたの杏花、朝からボーっとして。私はその理由が聞きたくて授業どころじゃなかったんだけど」