稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「だって、ロイホール公爵夫人のこの月に1度のお茶会、皇太子殿下のお見合い目的でしょ?婚約者が出来たあとは、もしかしたら開催されなくなるかも。いえ、開催されたとしても3カ月に1度とか頻度が落ちるかもしれないし……エミリーと会えなくなったらやだなぁって。皇太子殿下がいつまでも婚約しなければ、ずっと今のまま続くのかなって思ったら、つい……」
 エミリーがふっと小さく笑う。

「婚約しないわよ、皇太子殿下は。結婚する気がないんだもの。第二王子が成人するころには陛下も色々諦めるでしょ」
「え?」
 皇太子殿下は結婚する気がないってエミリーは言い切ったので思わず驚いて声が出る。
「あ、そういう噂よ。お、王宮勤めの知り合いから聞いたの。事情通ね、その……。あ、そうだ、いいことを考えたわ!」
 エミリーがポンっと手を打った。
「王宮で開かれる舞踏会でも会いましょうよ!」
「え?わ、私、王宮の舞踏会なんて行ったこと……」
 小さなころに行ったっきり。招待状は届くけれど、毎回私は欠席だ。
「ああ、そうね、リリーは王宮の舞踏会には行ったことがないかしら?大丈夫よ。リリーも出席できるように、ロイホール公爵夫人が主催しているこの舞踏会と同じように招待状を送るようにお願いするから」
「え?お願い?誰に?」
 王宮で催される舞踏会の招待客に口出しなんて、無理なんじゃ?
 ああ、公爵家であるうちからならお願いはできるかもしれない。
「あ、いえ、その、王宮勤めの知り合いに、そう、えっと、提案してみるわ。この舞踏会のようなものを王宮でも催したらどうかと。若い子息令嬢たちの姿を見ることで色々と知りえることもあるのではないかしらと、適当な理由をつけてね、言いくるめて見せるわ」
 にこっと笑うエミリー。
 言いくるめって……。
「私からも、知り合いに頼んでみようかしら……。もし、それで実現しなければ……」