稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「心がカッコイイだけじゃないの。今日のドレス姿も本当にカッコよくて……濃い青のドレスを身にまとったローレル様」
 はぁー。素敵だった。オレンジ色のドレスを着ていた時とはまるっきり違い、自信に満ち溢れた立ち姿。
「そう、かっこいいのね……」
 あれ?
 エミリーがちょっと不機嫌な表情を見せている。声も、ちょっと怒っているようにも聞こえる。
「ええ、とてもかっこよく素敵で」
 と、エミリーに言葉を返すと、さらに不機嫌そうな顔になって視線を下に落としてしまった。
 なんだろう?私ばかり、素敵な女性と話をしているのがうらやましいと思ったのかしら?
 ハッとする。

 そうか。もっと女友達が欲しいと思っても、エミリーには無理だもんね。それなのに私……。
 エミリーに謝ろうかと思ったけれど、謝るとまた傷つけてしまうだろうか。
「ねぇっ」
 エミリーがぱっと顔を上げた。
「私は?私のことはどう思ってる?ローレル様よりもかっこいい?」
 エミリーの真剣な目が私を正面からまっすぐ見ている。
 かなりの勢いで聞かれたため、何も考えることができずに、即答した。
「全然、エミリーはかっこよくない」
 エミリーが、ショックを受けた顔をする。
 ええ、悲しませるつもりなんてないんだけど。なんで?
「そう、私は、ローレル……様のようにリリーに素敵だとは言ってもらえないのね……」
「何をっていいるの?エミリーも素敵よ。でも、かっこいいんじゃなくて、可愛いもの。エミリーは、とても可愛いのよ」
 エミリーがちょっとだけ悲しい顔から復活。だけれど、かなりまだ不安げな表情をしている。
「合えなかった1か月の間にも、エミリーのことを何度も思い出して、コサージュを見たら目を輝かせて喜んでくれるかなぁとか。その様子が全部可愛いだろうなと思って……。その、私には、エミリーは飛び切り可愛い女性で、かっこいいとは違うの」