稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 次々と出てくるエミリーのドレスを褒める言葉に、嬉しくなる。
「ありがとうエミリー。ふふ、スカートの下の方のフワフワ、かわいいでしょ?こうして座って話せば、フワフワでフリフリが目に入るようにと、仕立屋にお願いしたの。前のようにフリルをたくさんつけると悪目立ちすると行けないから付けられなかったんだけど。でも、エミリーにかわいい物見せたくて」
「私のために?嬉しいわ。嬉しい。本当にかわいい。オーガンジーが重なっているのがラナンキュラスみたいね」
「え?ラナンキュラス?」
 言われてスカートを見下ろしてみれば、確かに座って円状に広がったスカートは花のようで、幾重にも重ねたオーガンジーの優しい色は、ラナンキュラスの花のような柔らかさがある。
「私、さっき、エミリーを見たときにラナンキュラスみたいって持ったの。垣根の隙間からのぞいたエミリーの顔が、ラナンキュラスの花みたいだって思って」
 エミリーが私の言葉に、ぱぁっとまさに満開の花のような美しい表情を浮かべる。
「まぁ、本当?嬉しい。私、花に例えられたのなんて初めてよ!感激!」
 感極まり、エミリーが両手で私の手を握った。
「そうなの?エミリーのオレンジ色の髪は、とても美しくて花の色のようなのに……」
 光の加減で、黄色っぽくも見える。美しい色だ。よく手入れもされているのだろう。つややかだし、ふわりと柔らかそう。
「ああ、もう、リリー好き、大好き!嬉しくて泣きそうよ!そうね、私の髪の毛を褒めるときって、みぃーんな口をそろえたようにライオンのたてがみのようだとか言うのよ!」
 エミリーがちょっとぷんぷんとむくれたように頬を膨らます。かわいい。

「百獣の王であるライオンのような髪ですって。失礼しちゃうでしょ?私のどこがライオンなのよ!がおーっ!って噛みついてやろうかと思ったわよっ!」