稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「ところで、リリーは殿下狙いでは無いのでしょう?でしたら、どなたか紹介いたしましょうか?」
 紹介……?!
「あ、いえ、その……この後、別の方が紹介してくださると……」
 ローレル様の紹介してくださる方なら、きっと悪い人じゃない。それだけに、断りにくくなりそうだ。
「あら、そうでしたの。では、あまり長く引き留めてもダメね。頑張ってね」
 ローレル様が軽く手を振った。

「さぁ、今日も殿下がすでに来ているという情報はつかんでいますから、探しましょう」
「「はい、ローレル様!」」
 3人が立ち去るのを見送る。
 ローレル様、本当に素敵。はぁ、殿下ともきっとお似合いだわ。……どんな方かしりませんが。王妃として、ローレル様ならしっかり務められると思うんですよ。……もし、王家の懸念が皇太子の座を退き、王位につかなかったときに期待外れだと思わせてはいけないということでも、ローレル様ならそうなったときはそうなったときと笑い飛ばしそうなんだけど。
「さぁ……何人かアレルギーチェックをしてからあづまやに向かおう」
 もちろん、エミリーのところに早く向かいたいのはやまやまだけれど……。
 婚約者探しも頑張ろうと思ったからには、ちゃんと数人ずつチェックはします。
 人ごみにわざと入っていく。
 人ごみなので、人との距離が当然近くなる。
「くしゅんっ」
 あ、ダメだこの人。
「お嬢さん、大丈夫ですか?」
 にこっと笑う歯がとても美しい青年だけれど、近くにいるとくしゃみが出るので割とアレルギーが出る人だ。
「ええ、ありがとうございます。大丈夫ですわ。では、私は友人を探している途中ですので失礼いたします」
 ニコリと笑ってその場を立ち去る。
「おい、今のご令嬢は誰だ?かわいかったな」
「さぁ、初めて見る顔だよ」