稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 それはお友達になりたいけれど、お互いの身分が離れすぎていると表立ってお友達だと言うこともできないかもしれないけれど、友達のように付き合っていきたいと、そう言う意味でいいのかな。
 嬉しい。まさに、私も。公爵令嬢だと知られても疎遠になってほしくない。
「ありがとうございます。その、ブーケ・ド・コサージュですが、仕立屋で働く男爵令嬢から話を聞いたのです」
 嘘ではない。
 これならば、仕立屋の顧客がたとえ上流貴族だけだったとしても、男爵令嬢から話を聞いたと言うことなら知っているのもおかしくないだろう。仕立屋で働いてるデザイナーは男爵令嬢なのだもの。一緒に色々お話したことは間違いない。
「彼女の務めている仕立屋は……」
 と、仕立屋の名前を教えた。
「まぁ、王室御用達の……あそこでしたの。従業員が情報を漏らしたとも思われかねないので、答えるのを躊躇したのね。大丈夫よ、貴方から聞いたとは言わないわ」
 あ、そうか。守秘義務的な……。
 通常は上流貴族から新しいものは提供しないとだめよね。だって、いくら素敵だな真似したいなと思ってもね。庶民の真似を貴族はみっともないみたいなのあるものね。同じように男爵令嬢の真似を伯爵令嬢がするわけにはいかないみたいな……。だからいくら素敵でも男爵令嬢からは流行は生まれない。
 よく考えると、男爵令嬢だと疑っている私に、素敵と言って真似したいから教えてみたいなことが言えてしまうのはすごいことなのかも。
 アンナ様もハンナ様も、とても感情に素直で、つい何でも口に出てしまうタイプ……?
 社交界ではとてもマナー知らずと思われてしまうけれど、人としては裏を考えなくて付き合いやすいのかもしれない。
「アンナもハンナも分かったわけ?リリーから聞いたとは言ってはダメよ?」
 ローレル様の言葉に二人が素直に頷いた。