稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「ありがとう。貴方に言われて、親を説得したのよ。オレンジ色で埋没するよりも、他の人と違う色にして目だった方が殿下の目に留まるかもしれないと。そうしたら、折れてくれたわ。ああ、もちろん今度こそ殿下と親しくなってくるのよ!と念はしっかりおされましたけれどね」
 ローレル様が私の胸元に視線を落とした。
「あら、それ……最近話題の布で作った薔薇ですわね」
 話題?
 仕立屋さんは色々な家に出入りしているから、すでに他の家にも売り込んでいるのかしら?
 だとしたら嬉しいかも。一刻も早く男性用が定着してほしい。エミリーが持っていても不審がられないよに。
「ですが、少し話題のものと違うようですね」
 え?違う?そもそもどういうものが話題になっているんだろう?

「布だけで作られた花ではなく、リボンやレースもあしらわれて、より手がこんでいるんですわね。可愛らしさがあって貴方に似合っていますわよ」
 褒めてもらえた。
「ありがとうございます。自分で手を加えてみたんです」
 リボンの縁取りレースが楽しくなってしまって、スカート部分につけた花には縁取りレースつきのリボンをプラスしちゃいました。
「まあ、そうでしたの。ご自身でドレスのリメイクを。ふふ、才能がありますのね」
 え?ドレスをリメイクしたわけじゃなくて、私が手を加えたのは、リボンだけ……ローレル様がなにか誤解してしまったみたい。
 でもまって、新しいドレスをバンバン買えるだけの家だと思われるよりも、このまま誤解していただいた方がいいのかしら?
 ローレル様の後ろの二人は、先月と同じドレスのようだし……。
 といっても、新しいドレスを作るたびにオレンジ色にしたらクローゼットがオレンジのドレスだらけになってしまう。金銭的理由ばかりでなく作っていない可能性もあるのだけれど……。