稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 悪い方ではないので、私のアレルギーのことを知れば、仮病などとは言わなくなるとは思うんですが……。
「そうか。だったら、エスコートができないなどということは二度はないから安心してほしいと伝えるよ。だけど、もうすでに追加でドレスをもらえると思っているかもしれないな……」
 お兄様の視線が、机の上に置いてある数種類のブーケ・ド・コサージュに向いた。
「これは?」
 デザイナーがデザイン画を見せながらお兄様に説明を始めた。
 ドレスに、コサージュを付け替えることによって色々なデザインに変化して見えると。
「これはいい!すぐにこれをもらえるか?オレンジ色のドレスならば、エカテリーゼも持っていたはずだ。すぐに使えるだろう」
 お兄様がコサージュを一つ手に取る。
「それは、リリーシャンヌ様の……」
 デザイナーさんが慌ててお兄様へと止めようとしたけど、口をはさむ。
「お兄様、試作品ですけどよろしいんですか?後ほどきちんと品をお届けしてもらうこともできますが」
「いや、早い方がいい。代金はあとで請求してくれ」
 兄が5つほどのコサージュを手に部屋を出て行った。

「ごめんなさい。せっかく持ってきていただいたのですが、また、新しくデザインしたものをドレスと一緒に届けてくれるかしら?」
 流石に同じデザインでは、エカテリーゼ様に何を言われるかわからない。
「ええ、もちろんです。本当はもっともっといろいろなデザインが浮かんでいるのですが、試作品を早くにお持ちしようと作りやすさを優先してお持ちいたしました。ドレスとお届けするものはより繊細なデザインに致します」
 ニコニコと嬉しそうにデザイナーが笑っている。
 そうよね。コサージュというものは始まったばかり。すでに色々とデザインが作られているドレスと違い、全く新しい物だ。
 次々にアイデアが浮かんで仕方がないというのも分かるわ。