稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 取り潰されてしまう家がありそうで言えない。いや、流石にお取り潰しなんて乱暴なことはしないとは思うけれど……。
 相手は一緒に仕事しにくくなるだろうなぁってレベルでは睨まれると思う。
「目立つなんて最高じゃないか!流石私の天使!」
「お父様、流行に乗り遅れているという意味で目立つなんて恥ずかしいのです」
 お父様がむっとした表情をした。
「何を言う、公爵令嬢のお前が、流行を作っていくファッションリーダーになるんだぞ?半年後には、そこら中お前のドレスを真似した令嬢で舞踏会はあふれかえるに違いない!」
 お父様の言葉に、ああ、それもいいかもしれないとちょっとだけ思った。
 だって、エミリーの好きな感じのドレスを流行らせたら、エミリーは目で楽しめるわよね?
 周りにフリフリいっぱい。
 って、でも、ダメ!
「お父様、普段舞踏会に出ない私は、運よく誰もに公爵令嬢だと知られることはありませんでしたわ」
「何?なんてことだ……やはり、お前の誕生日の舞踏会など盛大に開くべきだったか……」
 お父様が落ち込んでしまった。
「お父様、私、公爵令嬢だと知られていなくて良かったと思っていますの」
 そのおかげで、エミリーと出会えたし。
「もし、公爵令嬢だと知られていたら、高位貴族以外とお話できる機会は減ってしまうと思うのです」
 せいぜい伯爵家の令息までだろう。そして、継ぐべき家のない次男や三男はのぞかれる。
「本来は婚約者として名前が上がらないような方が、もし私に近づいてきたとしても……何が目的なのか疑ってしまいますわ」
 好みのタイプだから話がしてみたかったと、思ってもらいたい。
 ふとエミリーの「かわいい!理想そのもの」という言葉を思い出す。まぁ、もちろん自分がなりたい女性の理想と言う意味なんだけれど。
 それでも、あれだけ手放しでかわいいって褒めもらえるのは嬉しい。