稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

 まぁ、本当に好きで好きでたまらない人の頼みなら、叶えてあげたくなるかもしれない。王様になるのは大変だと思うけど、私も支えるから頑張って!みたいに言われたら……。素敵よ。政務を行っているときの貴方。大好きだわと言われたら……。
 確かに、気が変わるかもしれない。うん、だから政略結婚の相手ではなく、舞踏会で好きな人を見つけてきなさいと……。
 あ、ある意味私と同じ立場ですねぇ。本来なら家の格だとかなんだとかで選べるようで相手は選べないはずなんですが。
 お兄様も、公爵家令息ということで、年齢の合う伯爵令嬢の中から選ばれたという感じでしたし。
「お父様、とにかくですね、私、皇太子殿下には興味はございません。本当に興味があれば、会いたいとお願いしますし」
 お父様がほーっと、大きく息を吐きだした。
「そ、そうか。うん、任せて置け、その、皇太子殿下ではなくとも、その、会いたいと思った、アレルギーがあまり出ない相手が見つかれば、私が何としてもゲットしてやる」
 ゲットって。
 ……間違いなく、権力使っていいなりにするって意味ですよね。いえ、あの……。それは後々まで禍根が残って、私、幸せになれなさそうなんですけど。
 ぞっとして身震いする。
 もし、アレルギーがあまり出ない相手が見つかったらゆっくり自分で愛をはぐくんで、そのうえで事情を話してそれでも一緒になってくれるなら……という感じにした方がいいんじゃなかろうか?
「それで、リリー、なぜ突然オレンジ色のドレスを作りたいなどと……」
「目立つのですわ!ピンクでフリフリのドレスを着ているご令嬢など、他には全くいなくて」
 本当は悪目立ちして、変なのに絡まれたり、陰口を叩かれたりしたのですが、もし、そんなことをお父様に言おうものなら。