稿 男性アレルギー令嬢とオネエ皇太子の偽装結婚 ~なぜか溺愛されています~

「こんなドレスを着ているから、悪目立ちしたのね……。いかにも、世間知らずの田舎者か、はじめて社交界に出てきた子供か、無理して結婚相手を探させようと親に言われて出てきた貧乏な貴族のご令嬢と言った感じだもの……」
 そう見えるのね。
 結構、布自体はいいものを使っていると思うんだけれど。
「いいこと、気をつけなさい。そういう何も知らない後ろ盾もない子を狙って、卑劣なことをする男も交じっているのだから。逆らえないことをいいことに、無理やり部屋に連れ込んで悪さをする者もいるのよ?」
 え?
 公爵家のお屋敷で開かれる舞踏会でそんなことしたら、出入り禁止になるでしょう。
 あ、もしかして被害にあった子は訴えられないの?訴えれば自分より位の高い貴族の恨みを買うから、泣き寝入りするしかない?
 私は家名さえ出せば回避できるけれど……。
 ぎりりと奥歯を噛みしめる。
 私のように上手く逃げられる子ばかりではないことはすぐに想像がつく。
 ああ、男性アレルギーというだけでなく、こういう話を聞くと男の人が嫌いになりそう。
 酷い人ばかりではないのは、もちろん知っているけれど……。

「なるべく、一人では行動しないこと」
 ローレル様の言葉に、後ろの二人がうんうんと頷いた。
 もしかして、3人で連れだって行動しているのはそういうトラブルを回避するため?
 ああ、そういえば、会場でも一人でいる女性は少なかったような?そのため?単にお話がしたいから友達と一緒にいると言うわけではないの?
「それから、もし、困ったことがあったら……」
 ローレル様が、私の手をとり、赤くなったか所をそっと撫でた。
「これから私と会う約束があると言いなさい。分かったわね?」
 え?
 驚いてローレル様の顔を見る。
「ローレル様に逆らえる人など、殿下と公爵家の方々くらいですわ」