にがくて、あまい。






はい!って元気に返事したけど、推しをカフェに連れて行くの、ヤバすぎて倒れそう。


本物の推し活じゃん……。混乱してきた。



「苺好きなの知ってるんだね」


「えっ、そりゃあ……ファンですし」


「はは。じゃあ俺の誕生日も?」


「クリスマスイブですよね!」



質問にはちゃんと答えているけど、ずっと手は繋がれたままなので、ドキドキがやまない。


はぐれたりしないので、離してもらって大丈夫なんですが……!


と思っていたら、なるくんの足が止まった。



「あ、あそこかな?」



駅内の飲食店が並ぶ通りに、行列ができているお店がある。

苺のパフェが名物のおしゃれなカフェ。


あー、やっぱり並んでたか……。


ゴールデンウィークだし多いかもしれないと思ったけど、予想以上だった。



「ごめんなさい。結構並んでますね……」


「待つのは全然いいんだけど、バレちゃうかな」


「?」