「あれって……」
「なるくんに似てない?」
「いやまさか。本人なわけないでしょ」
「背高ーい!」
商店街に比べて、駅まで出てくるとひとは多くて賑わっている。
手を繋がれたまま、なるくんの半歩後ろを着いていくしかないあたしは、周りのざわめきを感じて落ち着かない。
結局マスクを付けてくれたのはいいものの、背が高くてスタイルもいいし一般人とはかけ離れたオーラを放ってるしで目立ちまくりだ。
もしバレちゃったらどうしよう……!
「何年か離れてただけで駅もだいぶ変わったな……」
周りのことなんて気にせず、ふつうに楽しそうな様子のなるくん。
まあそうか……。デビューの時に都内に引っ越したはずだから、ずっと地元には帰ってきてなかったのかな。
「……あ!苺のパフェがおいしいお店ありますよ!」
「行こ。連れてってよ」
「はい!」



