「探しに行くっていったあと、すぐ見つかってね。推しを目の当たりにして気絶したみたいで、あたし。目が覚めたら部屋にいたんだよね……」
「そんなことマジであるの?翠生の夢ではなくて?」
「それあたしも同じこと思ったよ。夢だと思ってビンタしたもん」
こうして話してる今も、昨日のことは全部幻だったんじゃないかと思ってしまう。
でも、現実に起こったことなんだよな……。
「活動休止の理由は?」
「それは……わからなかったんだよね……」
ぶっちゃけると、それが1番知りたかった。
ネットでいくら検索しても出てこない、たったひとつの事実。
昨日はおこがましいから聞けるわけないと思ったけれど、どうせもう会えないんだから、聞いてみればよかった。
アホだ。よく考えて生きろよあたし。
「はあ……」
「ため息でか」
「後悔してるんです」



