ハッと目が覚めた。
瞬きを何回かして、考える。
推しがうちのお店に来て、推しが友だちのお兄さんで、なぜかほっぺた触られて……。
ああそうか、全部夢だったんだな。
「言っとくけど、夢じゃないよ」
「へぁっ!?!!?」
「いい反応するなぁ」
あたしの部屋に、なるくんがいる………!?
なんで?!!?!
見間違うはずはないし、視力は結構いいほうだし、そもそもこんな近距離で……。
「ぅわあああ、近いです。離れてくださぁい!」
「体調悪くない?突然倒れるからびっくりしたよ」
「え、あ、体調は……すこぶる元気ですが……。迷惑をかけてごめんなさい!あたし倒れたんですか!?」
「そうだよ。気絶した」
き、気絶!?
推しを前にしてご迷惑すぎることを……。
「すごい。たくさんポスター貼ってあるね」