「……っ!?!!?」
声にならない叫びとは、こういうことだと思った。
驚きすぎて、あまりの衝撃に頭がクラクラしてきた。
か、顔が良すぎる……!!!!!
「直視できません」
デビュー時のCDに握手券がついていて、応募してみたものの外れたという苦い思い出がある。
でも抽選に外れてから思ったんだ。推しの顔、間近で浴びたらしぬって。
「ちゃんと見てよ。本人かどうか、さ。似てるなと思ってたでしょ?」
「み、みみみみ見れません!!!」
接客中にガン見してるのバレてるじゃん!
というかそれは、似てるなと思ってたからできたわけで、ご本人だと話は違ってきますので、助けてほしい。
自分で脇道に引っ張っておきながら、顔さえ見れない状況なんなの。
かずみん、お兄さんを見つけたけどあたしにはどうすることも出来ません。ごめんね。
「せっかくの出会いなのに。ほら、見てよ」
「うひゃぁっ……」
ほっぺたを両手でサンドイッチされて、半ば強引に上を向かされる。