「はぁ、ケーキ食べよ……」



なるくん似のお客さんが買っていったチーズケーキのせいで、その舌になってしまい、チーズケーキを貰ってきた。


パクッと一口入れる。相変わらず、絶品だ。



ーーピロン♩


すると、ブレザーのポケットに入れたままだったスマホが鳴った。


画面を明るくすると、相手はかずみんだった。


珍しい。というか、ラインを交換してろくにやり取りをしたことがなかったような気がする。



「俺の兄貴が昨日いきなり帰ってきて、街をうろついてるんだけど、知らないか?って……」



かずみんのお兄さん?


それをなんであたしに聞くんだ?



「それ誰から?」


「かずみん」


「かずみんって、一ノ瀬か」


「そう、隣の席の……って、ええぇっ!?」