ちょっと面倒くさそうな顔をするわりに、心配をしてくれる澪は、ホームルームをサボったあたしにカバンを持ってきてくれて「話聞くよ」と言ってくれたのだ。
澪の優しさと甘いカフェラテが体にしみて、また泣ける。
「先月最終回だったなるくんのドラマすごい評判よかったし、夏には3周年のライブだって控えてるんだよ?一体なにがあったっていうの……」
人に元気と生きる糧を与えてくれるなるくんにだって、悩みはあるかもしれない。
でも、活動休止ってさあ……!
理由を教えてくれないとファンは気が気ではないんだよ、本当に。
「翠生、声が大きいわよ」
「お母さん!」
「今からお客さん増えるんだから、続きは上行って話したら?ありがとね、澪ちゃん」
お母さんに向かって「いつものことだから」と笑う澪を横目に、店内を見る。



