皆川と別れたあと、電車の時間まで少しあったので駅構内の本屋さんに立ち寄った。雑誌コーナーでティーン雑誌を立ち読みしていると、見たことのある人影が視界の端に映った。
進 藤 くん だ。
反射的に雑誌で顔を隠す。進藤くんは私の丁度反対側の雑誌コーナーをウロウロしていた。早くどこか行ってくれないかな。進藤くんは雑誌コーナーから立ち去りそうもなかったので、私は顔を隠していた雑誌を元あった場所に置いて、体をかがめてそろりそろりとその場を離れようとした。
「神崎さんではないですか」
げっ。うそ。見つかった。
「なんですかこそ泥みたいに」
「あ、進藤くん。いたんだ。気づかなかった」
私は引きつった笑みを顔に張り付けて振り向いた。
私たちは一緒の電車に乗った。帰り道がほぼ一緒なので仕方がない。8時を過ぎていたこともあり、車内は大して混んでいなかったので、必然的に隣り合って座った。お互い口数も少なにただ電車に揺られていた。
今日、進藤くんが見知らぬ女の子と教室にいたのを思い出して、いささか緊張している自分がいた。電車が揺れる度に自分の肩が進藤くんの肩に軽く触れる。心地良いような、くすぐったいような、妙な感覚に酔わされる。
私は耐えられなくなって向かいの座席に移った。
進 藤 くん だ。
反射的に雑誌で顔を隠す。進藤くんは私の丁度反対側の雑誌コーナーをウロウロしていた。早くどこか行ってくれないかな。進藤くんは雑誌コーナーから立ち去りそうもなかったので、私は顔を隠していた雑誌を元あった場所に置いて、体をかがめてそろりそろりとその場を離れようとした。
「神崎さんではないですか」
げっ。うそ。見つかった。
「なんですかこそ泥みたいに」
「あ、進藤くん。いたんだ。気づかなかった」
私は引きつった笑みを顔に張り付けて振り向いた。
私たちは一緒の電車に乗った。帰り道がほぼ一緒なので仕方がない。8時を過ぎていたこともあり、車内は大して混んでいなかったので、必然的に隣り合って座った。お互い口数も少なにただ電車に揺られていた。
今日、進藤くんが見知らぬ女の子と教室にいたのを思い出して、いささか緊張している自分がいた。電車が揺れる度に自分の肩が進藤くんの肩に軽く触れる。心地良いような、くすぐったいような、妙な感覚に酔わされる。
私は耐えられなくなって向かいの座席に移った。

