日直当番【完結】

 その日の部活後、私と皆川はファミレスで作戦会議を開いた。今日も皆川が奢ってくれた。

「なんであいつあんなに不機嫌だったんだろ。おまえ、絶対なんか変なこと言っただろ」

「そんなことないよ。皆川が来る前丁度皆川のことを話題にしてたんだよね。皆川ってかっこいいよねとか、バスケうまいよねとか」

「え、照れる。おまえ、俺のことそんなふうに思ってんの」

「よいしょしてやってるんじゃん」

「まあ、別に変なことじゃないよな。なんだかなぁ…」

「そもそもなんで由理のこと好きになったの?」

「え、おま、それ聞くの?」

 皆川はあからさまに照れ笑いしてきもかった。

「あーいいわ。言いたくなかったら」

「控えめに笑うところがなぁかわいいって思ったんだよなぁ」

 言いたいんじゃないかよ。

「何気に友達思いだしな。気が利くし。おまえよく世話になってんだろ」

「ああ、まぁね」

「俺もだ」

「皆川って彼女いたことあるんだっけ」

「中学んときはいたけど高校に入ってからはいない。女友達と遊ぶことはよくあるけどな」

「あー皆川は遊び人てことね」

「人聞き悪いこと言うなよな。否定はできないけど」

「由理は真面目だしチャラい男は嫌いだよ」

「え、俺チャラくねーし!俺好きになったら一途なんだからな!」

「まあある程度互いのことは分かってきてるし、イチかバチか告白してみるのも手なんじゃない?」

「そ、そんな、俺にはまだ心の準備というものが…」

 その後小1時間ほど皆川と話し合ったけど、実りのある話はできなかった。