日直当番【完結】

 皆川は床に落ちたボールペンを拾い上げた。

「これな、ビリビリペン。百均で買ったの」

「そのペン借りてもいい?」

「ああ、別にいいけど。何に使うの」

「憂さ晴らし」

「おまえ、何か企んでるな」

「あ、そろそろ講演会始まっちゃうよ。行こっか由理」

「え、俺はー?」

 私は皆川から借りたビリビリペンを胸ポケットにしまって由理と教室を出た。ビリビリペン、進藤くんに試してやるんだ。狼狽える姿を拝んでやる。

 空はますます黒い雲に覆われて、太陽をすっぽりと隠してしまっていた。