日直当番【完結】

 今日の降水確率 午前20% 午後90%

 朝はあんなに晴れていたのに、急に雲行きがあやしくなってきた。その上依然として空気は身体にまとわりつくように重たい。嫌になっちゃうよまったく。そのうえ、小姑のごとくいちいちうるさい男と日直なんだから尚更嫌になる日だ。私は教室の窓辺に頬杖をついて空を見上げた。

「空なんか見上げちゃってどうしちゃったのよ」

 後ろから声をかけてきたのは由理だった。

「天気も悪いし、隣の席の男はムカつくし、嫌になっちゃうなーって」

 グランドでは野球部がグランド整備をしている。昼休みのお決まりの光景だ。このあとほぼ雨が降ること分かっているのに、意味あるんだろうか。

「なんか、捺乃と進藤くんのやり取りおもしろいよね。進藤くんとああいうふうに張り合う人他にいないよ」

 由理はふふっと笑って言った。

「おもしろくないわ。いちいちつかかってきてウザいじゃん。いけ好かないんだよね。いつも人を馬鹿にしてくるし。それに冷静沈着でさ、本心が見えないっていうか。いつかあいつの鼻を明かしてやるんだから。あの銀縁眼鏡かち割ってやる」

「そんなに怖い顔してどうしたんだい」

 不意に私の左肩に誰かの肘が置かれた。皆川だった。