日直当番【完結】

 結構あれでしょ。丸見えより見えそうで見えないのが好きなんでしょ、男って。スカートで履いてる女性の足を組み変える瞬間とか、階段下からのミニスカートとか。

ま、隣の眼鏡はそんなの興味ないんだろうけどー。横目で進藤くんの方を見やると、進藤くんもこちらに視線を向けていた。

ドキ。


え、何。気のせいかな。

ほ、ほら、もう一度ちらり。

…まだ見てるー!!

え、何?なんなのちょっと。え??

「神崎さん」

「はい?」

 突然名前を呼ばれて一瞬ビクリと身体が小さくはねた。

「肩に」

 進藤くんは右手を伸ばして私の肩に指先を触れた。

「連れてきてしまったようですね」

 進藤くんは指先に乗せたてんとう虫を私に見せた。開け放たれた窓から風が吹きこんできた瞬間、指先のてんとう虫はふわりと飛び立った。ゆっくりゆっくりふわりふわりと、てんとう虫はこっくりこっくり居眠りをしている野口くんの頭に着地した。

私と進藤くんはそれを見て顔を見合わせて微笑んだ。