ガシャーン!

「!!」

 突然、窓ガラスが割れる音がして心臓が跳び上がった。

「何!?」

 窓の方を見てみると、1枚の窓ガラスが丸ごと見事に割れていて、床にガラスの破片が飛び散っていた。その傍らには野球のボールが転がっていた。

 「すいませーん。大丈夫ですかー?」

 窓の外から野球部員の誰かがこっちに向かって叫んだ。その口調からはまったく謝罪の念を感じられなかったので頭にきた。

「『すいませーん。大丈夫ですかー?』じゃねえよ!気をつけろ!」

 と罵声を飛ばしてさっきの野球部員めがけ、転がっていたボールを全力で投げてやった。ボールは重力によってぐんぐん加速し、地表に落ちる前に彼のグローブによって受け止められた。しかし彼は受け止めきれずに後ろにひっくり返ってしまった。

「まったく、余計な仕事増やしやがって」

 後ろを振り向くと、呆れたような顔で立っている進藤くんと目が合ってしまった。

「……片付けましょう」

 何今の間。正直今のは引いたということですか。口の悪い女だと思いましたか。別にいいですよ。進藤くんに引かれてもなんとも思いませんから。