私がそう言うと凄い笑顔で景時さんはごまかす。
「何のことかな？」って。



「ねぇ、明里ちゃんはさ、弁慶が好き、だよね？」



景時さんに私はそう断言される。



私が弁慶さんを好き？
そう、確かに好きじゃないなら私は妹みたいって言われてもショックも受けない。



「そっか、そうだったんだ……」



私は景時さんに言われてようやく気づいた。
弁慶さんを好きということを。


「もしかして気づいてなかったの？」



私はそう言われ鈍さのあまり俯いてしまう。




「弁慶に気持ち伝える？」



私は頭を振る。
伝えられるわけないよ。
だって……。



「言えるわけないじゃないですか、弁慶さんは私を妹としてしか見てないんですから……」



景時さんが何故かにっこり微笑んで私に言ってきた。



「じゃあ、俺と恋愛しない？」
「えっ……」
「俺、明里ちゃんが好きだよ。確かに俺は九郎や弁慶に比べたら頼りないけど、少なくとも好きな女くらいは守るよ」
「……」
「だから考えておいてよ」



景時さんはそう言うとどこかへ行った。