そして、夕餉の時。
九郎さんが話しかけてきた。



「なぁ、明里……」
「はい、何ですか?」
「お前はよく、水城家に行っているが迷惑がられてないか?」
「水城家は私の母の実家なんですよ。それに、愁一郎様は何も言いませんが……」
「そうか、愁一郎殿は叔父なのか」
「はい」



私は少し悪い気がした。
だって、私が愁一郎様の姉の子というのは、嘘だから。
そう。
愁一郎様と作った嘘。



そして。
夕餉を済ませ、部屋でくつろいでいると、部屋の外から声がかかる。



「明里さん。夜遅くにすみません」
「弁慶さん?あ、どうぞ」



私は弁慶さんを部屋に入れた。



「弁慶さん。どうかしましたか?」
「どうかというより……、もう少し先になりますけど、お祭りがあるのはご存知でしたか?」
「えっ?お祭り?」



私の反応を見て弁慶さんは微笑んでいた。



「もしよければ、その、お祭り行きませんか?」
「はいっ!行きます」
「ふふっでは、決まりですね」
「でも、まだ先なのに」




こうして私たちはお祭りに行くことになった。
でも。
なんで私を誘ったりするんだろう??