準備を終えた私は、舞を披露する。
間違えないように。
丁寧に……。
そして、舞の終盤になる。
今頃おばあちゃんもあの準備をしているはずだから失敗しないように。
舞が終わり、儀式が終わると私はゆうを呼び止める。
「ゆうー、ちょっといい?話しあるの」
そう言って神社の裏へ連れていく。
私はお札を懐から取り出し呪文を唱える。
ここには、晶を拘束する為の結界をはっているから、ゆうは動けない。
「みんな手出ししないでね!私が清盛をはがす!ゆう、ごめん、あんたにはつらいかも」
私がそう言うとゆうも苦しいのに言ってくる。
「気にするなよ!お前は陰陽師だろう?清盛のことお前に相談すりゃよかったんだけどな……。水城、お前はお前の仕事しろよ……」
「でもっ……」
清盛をはがすのは簡単。
でもそのあと、ゆうがどうなるかは私にもおばあちゃんにもわからない。
「……わかった」
私は覚悟を決めゆうの前に立ち印を結ぶ。
そして、お札を取り出し呪文を唱える。
そして清盛がゆうから出てくると、ある男性がゆうを保護する。
そして、二度と清盛が入り込めないようにする。
「臨める兵(つわもの)、闘う者、皆、陣敗れて前にあ……」
私が最後の呪文を言い終えようとするとき、私の周りが白い光に包まれる。
「明里様ー!」
天后が私のそばにくる。
そして、私たちは白い光に包まれ消えてしまった。