「とにかく、今回は新田さんが折れてください」
「………………はぁ、分かったよ。何時に終わるの」
「二次会がなければ22時過ぎとか? 未定です」
「二次会には行くなよ。迎えいくから連絡して。あと店の場所」
矢継ぎ早な質問に目が回る。
まるでこっちがわがままを言っているよう態度にイラッとしてしまった。
だけど、心の底から嫌だと思えないのが私のダメなところなんだろう。
むぅと唇を尖らせながら新田さんには店のURLを送っていると、ふわりと新田さんの香水の香りが近くなった。
顔を上げると、新田さんが私の両肩を掴んだまま耳に唇を寄せていて、固まる。
そして、直接鼓膜に低く色っぽい声を注ぎ込まれた。



