辿り着いたのは、ベンチと滑り台が一つある寂れた公園だった。
 ベンチに彼氏を投げるように座らせると、新田さんは私の隣に立つ。



「人気もないし、香苗もここなら満足いくまで話せるだろ」
「俺は話すことなんてねーよっ……」



 彼氏が忌々しそうに私を見上げる。
 ああ、もうこの人は私の好きだった彼氏じゃないんだ。
 そう理解したと同時に、彼氏に向けていた恋心が一気に冷めていくのが分かった。


 しかし、私が口を開くより先に新田さんが大きな舌打ちをして、その場が凍る。