「────は?」 「だから、あの子の彼氏浮気してるんですよ」 「……へぇ」 好きな食べ物、好きなブランド、好きな店、歌手。 聞き込みの努力もあり徐々に集まる情報に、いつ頃声を掛けようか悩んでいる中、聞き捨てならない情報を得た。 彼氏が、浮気をしている。 先ず彼氏がいることが初耳だったが、それよりもその彼氏が浮気をしているという言葉を処理するのに時間が掛かった。 カフェテリアであの子と同じゼミだという女に声を掛けていたのもあり、その女がほらあれ、と指を指すのでその方向に視線を向ける。