初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜




「無理だろ。お前あそこまで相手を馬鹿にして煽って遊んでおいて、それはない」
「だから、そのお詫びを」
「お詫びっつーなら、もう関わらないでやることだな。っていうか、あの子俺の好きな子の友達だったんだぞ? 気まずくなるしいい加減にしろよ」
「……あー、それは悪かったよ」
「ほんと、深冬は見た目以外どうしようもねーよな……」
 

 
 この友人は昔からの幼馴染手前、俺に呆れつつなんだかんだずっと隣に居る。
 俺とは正反対の真面目な奴で、彼女とは長続きするしセフレなんて言語道断だ。


 こいつにこれ以上聞いたところで教えてはくれない。
 早々に諦めて俺も同じようにラーメンを啜る。




「……まぁ、だけど深冬、自分から女の連絡先知りたいとか初めてだよな」



 
 ポツリと呟いた友人の一言で、あの日の記憶が繊細に蘇る。