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東条、剱……くん。
東条くん。

なんか頭良さそうな名前。
というか、そこはかとなく上品な名前じゃない?やっぱお坊ちゃまなのかな。
いや、まあ、名前で判断してはいけないことは、何より私が体現はしているのですがね。


「東条、くん」

その夜。自室のベッドに寝転がり、今日の戦果を反芻する。

東条くん。彼にぴったりな名前だな。
というか、私の似合わない名前をどう思っただろう。

『よろしく、西園寺さん』

「きゃー!よろしく、だって!やばい!」

枕を抱えて足をバタバタ。
音が響いたのか、階下からお母さんのお叱りの声があがる。

「……やばい。本当、やばい」

ここ数日、幸せすぎる。
色々とうまくいきすぎる。

私はベッドを抜け出し、机に大切においているジュエリーキャンディを手に取った。

もしかしたら、これは本当に願い事を叶えてくれるのかもしれない。
ハートの形はないけれど、でも私にとっては東条くんがくれたこれが幸せのキャンディだ。


決めた。
今日と同じようにこれから毎日キャンディを食べて電車に乗る。
それでたくさん勇気を出して、もっと東条くんと仲良くなって。

このキャンディがなくなるころ。
東条くんに、この気持ちを伝えよう。