季節はめぐりめぐって、明日からは待ちに待った夏休みだ。

いくら進学校とはいえ、誰もが浮かれ気分を隠せずにいる放課後のこと。

「三上くん、ちょっといいかい?」

うへぇ、出たよ…。

いつの時代の人間かと思うような、隣のクラスの気障野郎。

「何?」

「君は、ミス緑高の松岡愛子さんと交際してるのかい?」

お前には何の関係もないだろう!と思いつつも

「そうだけど」

ハッキリ答えた。

「そうか…。しかし、彼女は果たして君で満足しているのかな?」

「どういう意味だよ」

面倒な奴に捕まってしまった。