ほんの少し前まで、あんなに寒かったのに、だいぶん暑くなってきたな…。

最近、日本には四季がなくなったと感じる。

もはや、冬と夏しかない。


それにしても…。

この1週間ずっと、僕が校門を出ても、いつもそこで待っていてくれた忠犬がいない!

いや、忠犬ではなく最愛の恋人の間違いだった…。

「三上ぃ、もしかしてミス緑高の彼女と別れた?」

クラスメイトが少し嬉しそうに言う。

「別れてねーよ!」

別れるわけがない。

愛子は今頃、香さんにベッタリなのだろう。