今日はどうだった?など、他愛ない話をしながら、いつものように彼女…松岡愛子の家に向かう。

愛子の一家…というか、一族で営業している美容院の入り口から、奥の自宅へと向かう時に

「ただいまー!」

元気な愛子の声に

「おかえり」

と、異口同音に返ってくる。

店内には、愛子のご両親、伯母さん、お祖母さんの四人だけでなく、お客さんも数名。

いつものことながら、賑やかだ。

「お邪魔します」

「ゆうちゃん、ゆっくりしていってね」

愛子のお母さんが言い

「ありが…」

「健全に過ごせよー?」

「わ、わかってるって!」

いつもハイテンションの愛子のお父さんが茶化す声に焦る僕…。

周りが大笑いし、僕はきっと真っ赤になっていそうだが、愛子は平気の様子。

愛子だけでなく、この一家の前で僕は、とてもクールなんかでは居られなくなってしまう…。