よし。

やっと、これで何とか理性を取り戻した。

部屋に戻ると、愛子はアルバムを開いている。

「何見てんの?」

「中学の頃の写真」

「へぇ…どれどれ?」

沢山の写真は何冊ものアルバムに、時系列順にきちんと整理されてある。

「懐かしい…てか、意外と几帳面だな」

愛子は基本的に何事にも大雑把だ。

「ゆうちゃんがずぼらすぎるんだよ。デパートのお菓子の缶に写真放り込んでるでしょ」

それを言われると、何も言えやしない…。

「私、大事な想い出だけは粗雑にできないんだよね」

その言葉に胸がチクリとした。

「ごめんな。今度、整理するの手伝ってくれないか?」

そう言うと、愛子は

「しょうがないなぁ」

と笑った。