とある地方都市に、ふたつの高校がすぐ向かい合っている。

一つは、中央高校。

県内屈指の進学校だ。

もう一つは、緑高校。

レベルは上の下ぐらいだが「楽しい学園ライフ」を送れることで有名。

ふたつの高校は、すぐそばに在りながら、交流は殆どない。

校風が違いすぎるので当然なのだが…。

緑高の制服(有名デザイナーによるもの)を着た、一人の美しい女子高生が、中央高校の校門で凍てつく手に息を吹き掛け乍ら、人待ち顔。

堂々とこんなことをするのは、一人しかいない…。