きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで

今なら言えそうな気がして、口を開く。

けれど私の決意を邪魔するかのように、またしても私のスマートフォンから着信を知らせる音楽が鳴り響いた。

「ごめんね」

断りを入れてから電話に出ると、ぜえぜえと激しく息をする音が聞こえた。

「もしもし? 聞こえる?」

「まだ公園におる?」

「え、いるけど」

「もうちょっとで着くから。どこの公園? この前一緒にアイスを食べたとこ?」

「そうだけど……」

「わかった。じゃあ」

プツリと電話が切れる。

「え、本当に来たんだ……」

まさか本当に来るなんて。

呟いた私に、悠斗は「なにかあったか?」と尋ねた。

「うん……。宮本くんが、今こっち向かっているんだって」

「宮本? 同じクラスの?」

「うん」

「『こっち向かっている』って、この公園に来るのか?」

「うん……」

「どうして?」

「どうしてだろう?」

本当にどうしてだろう。急用でもあったのだろうか。
別に今日は会う約束なんてしていなかったし。

悠斗と同じように、私も首をかしげる。

すると、公園の入り口から、「高橋!」と呼ぶ声が聞こえた。

「宮本くん……!」

あまりにもボサボサな髪の毛が、急いでやってきたことを物語っている。

合宿終わりで疲れているはずなのに。わざわざ、来てくれた。

どうしてきたのかはわからないけれど、来てくれたという事実が、なんだかちょっとだけ、嬉しい。

私はベンチを立ちあがると、悠斗に微笑みかけた。

「悠斗」

息を吸い込むと一気に伝える。

やっと今、きちんと無理なく自分の心に整理が着いた気がした。


「私ね、悠斗のサッカーに対して真っ直ぐなところ、本当にすごく好きだった」


“好きだった”

どうして過去形にしたのか。その部分に別の想いを込めたことに、きっとあなたは気づかないよね。

別に気づかなくていい。だってこれは、私が私のために、発した言葉なんだから。

悠斗に背を向けると、来てくれた宮本くんを迎えるように入り口に向かって歩き出した。