きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで

「はい」

「ありがとう」

受け取ったりんごジュースをゴクゴクと飲む。

暑い夜の火照った身体に染みわたり、「幸せだなあ」と呟く。

「なんだ、そのおっさんみたいな言い方」

「ちょっと、女の子に失礼でしょ」


お互い水分補給をした後は、あまり話さなかった一ヶ月間のことを色々と話した。

ちなみに悠斗が元カノからフラれたきっかけ(フラれた本人曰くだけれど)は、「デートをしよう」と誘われた日、約束をすっかり忘れてこの公園で自主練をしていたらしい。

デートの約束を忘れられていたことに気づいた元カノは憤慨して、なだめるのに大変だったそうだ。

「悠斗……さすがにそれはひどすぎるよ」

「真凛なら、許してくれるだろ?」

「それはだって……私は悠斗とずっと一緒にいるからだよ。私だってもし彼氏が出来てそんなことされたら傷つくし、怒っちゃうよ?」

「……そうなのか」

「え、それはそうでしょ」

悠斗、サッカーが絡むと本当に周りのことが見えなくなるからなあ。

当時の元カノの気持ちを考えると、思わず同情してしまう。

「悠斗はさあ」

聞いてみたかった。

答えによっては傷つくかもしれないと分かりながら。

「その子のこと、どれぐらい好きだった?」

知りたいと思いながらも、“人生で一番”とか言われたら、少なからずショックを受けるだろうな、と思う。

悠斗はほとんど考える暇もなく、「わかんねーな」と答えた。

「サッカー部の先輩からは、『嫌いじゃないなら付き合えば』って言われたから付き合ったんだけど……正直好きだったかは、わかんねえな。相手に失礼だけど」

「そうだね……相手に失礼過ぎるよ」

端から聞いたら失礼過ぎて引かれるだろう。

けれど私は、悠斗は本当に真っ直ぐだから、先輩のアドバイスに従っただけなんだろうな、と理解した。

「少なくとも、真凛といる時よりは、気疲れした」

「なにそれ」

「真凛といる時が、やっぱり一番楽なのかもしれないな。俺は」

それは、誉め言葉として受け取っていいのだろうか。

異性として見れない、ということではなく、ただ私と過ごす時間が心地よいと、そう受け取ってもいいのだろうか。

もしそうだとしたら、好意を抱きつつも“幼馴染”として過ごしてきた時間が、少しだけ報われた気がする。

どういう意味を込めて言ったのかは悠斗に聞き返してみないとわからないけれど、今はプラスの意味でその言葉を受け取っておくことにしよう。

「私ね」