きみの笑顔は、季節外れの太陽のようで

「……いいの?」

「うん。別にいいけど。逆になんで? 断るとでも思った?」

「いやあ、女の子と関わるの、あんまり好きじゃなさそうだから」

「そんなん、もう今二人で出かけてる時点で、“関わっている”やろ」

「まあ、それはそうなんだけど」

私よりかなり身長が高い彼が、私の手からスマートフォンを奪い取る。

逆光になるかなと心配したけれど、綺麗に映っていた。
――もちろん、胸に光るルビーも。


「……相手に自分の気持ちを押し付けへん奴は、嫌いじゃない」

「ん?」

写真を見ていた私は、顔をあげる。

「だーかーら」

彼は、ふーっと息を吐きだしてから続けた。

「俺、こうみえても、中学時代、バスケで結構活躍しててん。それを機に、全然知らん奴が“好き”だの“かっこいい”だの騒いで、挙句の果てに待ち伏せされたり付きまとわれたりされたけど……お前は、そんなんせえへんやろ」

「ああ……」

そうか。

だからあの日、ただぶつかった私に、凄く嫌そうな顔をしたのか。

「宇山に対してもそうやん。宇山のことだって、ほんまは彼女が出来て辛いはずやのに、それを宇山にぶつけたりせえへんやろ。お前は、自分の都合で相手に気持ち押し付けたりせえへんやん。そういう奴は、嫌いじゃないねん」

「そうなんだ……」

思ってもいないところを褒められて少し戸惑いながら頷いた私に、宮本くんは「今の話は内緒な」と笑った。