宮本くんは、目を大きく見開く。

「試合、お疲れ様でした。ゆっくり休んでね」

恥ずかしさに耐えきれず、彼に背を向ける。

「待って!」

声が聞こえたと同時に、後ろから身体全体が包み込まれる。

ドクドク、といった心臓の音が、夏、初めて彼に抱きしめられたときのことを思い出させた。

「今の言葉……ほんま?」

「……本当だよ」

「冗談じゃないやんな……?」

彼の腕の中で、私は頷く。すると彼は、より一層強く、私を抱きしめた。

「高橋。俺も、お前のこと、大好き」

「えっ……」

聞き間違いじゃないよね?

今、好きだって、言ってくれた……?

宮本くんの言葉こそ、冗談じゃないよね……?

おずおずと振り返ると、すぐそこに、優しく微笑む彼の顔があった。

彼はコツンと自分のおでこと私のおでこを合わせる。

「高橋から言わせてごめん。俺、高橋のこと、ずっと前から好きやった。付き合ってほしい」

信じられない……。けれど、信じたい。

だって、私も、きみのことが大好きだから。