私の返事に、「ほんま?」と宮本くんは少しだけ、目を輝かせた。
「また、明日から話しかけてもいい?」
「……いいよ」
「無視したりせえへん?」
「……うん」
「連絡も返してくれる?」
「……うん」
「ありがとう」
心底安心したように笑う彼を見て、複雑な気分になった。
「そういえば今週末の土曜日、試合あるねん。見に来てくれへん……?」
彼は試合の時間と場所を告げると、様子を探るように、私を見た。
「ごめん。次の土曜日は、ダメなんだ……」
宮本くんは私の答えに、眉間にしわを寄せながら、目で「どうして」と訴えた。
「悠斗の試合、応援に行くって約束しちゃっていて……」
「宇山の応援、か……」
素直に頷く。
悠斗が所属するサッカー部も、今全国大会をかけた予選に挑んでいる最中だった。
悠斗はこの予選になって初めてベンチ入りを果たした。
先発出場する可能性は低いけれど、試合に出る可能性は十分ある。
悠斗の応援にかけつけようと、悠斗のお母さんと約束したのはちょうど昨晩だった。
「……なあ、宇山と付き合ってんの?」
「悠斗と? 付き合ってないよ」
「……それなら、俺のこと優先してくれへん?」
「……ごめんね。悠斗のお母さんとも約束しちゃったから」
「でも……俺、待ってる。高橋なら来てくれるって、信じて待ってる」
「宮本くん、今度の土曜日は本当に」
「高橋が好きなシュート、いっぱい見せてあげるから」
彼は私に続きの言葉を言わせてくれなかった。
「また、明日から話しかけてもいい?」
「……いいよ」
「無視したりせえへん?」
「……うん」
「連絡も返してくれる?」
「……うん」
「ありがとう」
心底安心したように笑う彼を見て、複雑な気分になった。
「そういえば今週末の土曜日、試合あるねん。見に来てくれへん……?」
彼は試合の時間と場所を告げると、様子を探るように、私を見た。
「ごめん。次の土曜日は、ダメなんだ……」
宮本くんは私の答えに、眉間にしわを寄せながら、目で「どうして」と訴えた。
「悠斗の試合、応援に行くって約束しちゃっていて……」
「宇山の応援、か……」
素直に頷く。
悠斗が所属するサッカー部も、今全国大会をかけた予選に挑んでいる最中だった。
悠斗はこの予選になって初めてベンチ入りを果たした。
先発出場する可能性は低いけれど、試合に出る可能性は十分ある。
悠斗の応援にかけつけようと、悠斗のお母さんと約束したのはちょうど昨晩だった。
「……なあ、宇山と付き合ってんの?」
「悠斗と? 付き合ってないよ」
「……それなら、俺のこと優先してくれへん?」
「……ごめんね。悠斗のお母さんとも約束しちゃったから」
「でも……俺、待ってる。高橋なら来てくれるって、信じて待ってる」
「宮本くん、今度の土曜日は本当に」
「高橋が好きなシュート、いっぱい見せてあげるから」
彼は私に続きの言葉を言わせてくれなかった。



