嘘と、恋。


「私を殴っていたのは、母親です」


そう。


あの痣は、母親に叩かれて出来たもの。



「今回だけじゃなくて、子供の時からずっとずっと…」


なんだかそう口にすると、ずっと我慢していた辛さが込み上げてきて。


涙になる。


「まりあちゃん、母親から虐待されていたんだ」


「はい…。
うち、私が小さい頃から母子家庭で。
母親の話では、私が生まれてすぐに父親は女作って家を出て行ったとかで。
それ自体はきっと、それ程珍しい話でもないんですけどね。
一人で私を育てるのが大変だったのかな?
小さい頃から、お母さんによく殴られていた」


叩かれて、頬が腫れても、その頬を何度も叩かれて。


「お母さんの知り合いの男の人に、体を触られる事も小さい頃からあって…」


その男の人は、康生さんよりもきっとうんと歳上で。


初めの頃はずっと、私の体に触るだけだったけど。


いつの頃か、最後迄されるようになっていた。


そして、その男の人から、母親はお金を貰っていた。


私の体を差し出す代わりに。


「私、小さい頃から学校もあまり行かせて貰えなくて。
ほら?顔が腫れてたりすると、学校の先生達が母親に何か言ったりするみたいで…」


昔から、学校に友達も居ないし勉強が好きなわけじゃないのだけど。


行くなと言われたら、学校にもっと行きたかった。


みんなみたいに、普通に高校に行きたかった。