嘘と、恋。

ナガクラさんが居た事務所のあるビルを出てすぐの所に、ドラッグストアがあり。


「まりあちゃん。お金渡すから、そこで包帯とか買って来て貰っていい?
家に帰れば色々あるんだけど。
とりあえず、帰る迄なんとかしたいから」


そう言って康生さんは財布を開いたが、
先程ナガクラさんに全て渡したからか、それはなくて。


「小銭しかないけど…。
700円くらいあるか」


そう言って、小銭入れの方からそれを取り出し、私に渡してくる。



「私も、三千円くらいならあるので…大丈夫ですよ」


そう言って、一人そのドラッグストアに行き、ガーゼと包帯を沢山買い込み戻る。


戻ると、それを袋から取り出して康生さんに手渡そうとすると。



「悪いけど、巻いて貰っていい?」


康生さんは、私が居ない間は自分のハンカチで押さえていたのか。


真っ赤に染まったハンカチを、外す。


現れる、その傷口。


今も血が出てるけど、先程みたいに勢いよくはない。


「痛いですよね?
ごめんなさい。私のせいで…」


私のせいで、康生さんはこんな傷をおって。


この傷だけじゃなく、けっこうな金額をナガクラさんに渡していたし。


「え?まりあちゃんのせいじゃないよ。
永倉のせいだし。
ま、いいよ。
あいつにはこの百倍にして、いつか返してやるから」


そう、笑っていて。


それが冗談なのか本気なのかよく分からないけど。