嘘と、恋。


「まりあちゃんの事、海外に売り飛ばそうって。
永倉、お前本当にタチ悪いよな?
その上、そっちのエイジ君と一緒にまりあちゃんの事襲おうとして、逃げられたんだって?
お前、噂に聞いてたけど、マジでロリコンなわけ?」


ナガクラさんがロリコンかどうかは分からないけど。


もしかしたら、さっきのあれは、わざと私を逃がしたんじゃないかな?って、今思うと。


なら、その理由は…康生さん…。



「は?女なんて、若ければ若い程いいだろう?
それより、高崎、その女返して欲しいなら、買えよ」


康生さんから、そうやってお金を取る為に?



「そ?お金で解決なのが、平和でいいな。
いくら?俺、今持ち合わせ、こんだけしかないけど」


そう言って、康生さんは財布から万札の束を取り出し、
ナガクラさんが座るソファーの前のテーブルに置いた。


それは、見た感じ、50万はあるだろうか?


けっこう、分厚い。


「これじゃあ足りねぇし。
多分、この女、2~300くらいで売れるだろうし」


「かもしれないけど。
まりあちゃんの彼の債権買った金額は、きっと、俺が出した金額より少ないだろ?」

「まぁ。
30くらいだったか…」


ナガクラさんは、持っていた箸を一度弁当の箱へと置き、その1本を握り締めるように持った。


「高崎、此処に手を置け。
利き手じゃない方にしてやるよ」


ナガクラさんのその言葉の意味が初め分からなかったけど。


康生さんがテーブルの上に左手を置いた時。


まさか、と頭の中に浮かんだ。



ナガクラさんの持っているのは割り箸だけど、
普通の箸のように丸くて、そして先端が細くて。


なんともいえない鈍い音がして、
その割り箸は康生さんの左手の甲を真上から貫いた。


貫通したのかは分からないけど。


ナガクラさんがそれを引き抜くと、
その場所から、涌き出すように血が溢れて。