嘘と、恋。

「その人、高崎康生っていうんですけど。
ナガクラさんは康生さんと、知り合いなんですか?」


なら、このナガクラさんもいい人なのかな?


「あ?知ってるちゃあ知ってる程度だ。
つーか、お前、高崎と関係のある女か?」


何処か楽しそうに、そんな私を見ていて。


多分、康生さんとこの人との関係が、良好なものではないのだと感じた。


「英二、この女、ヤッちまうか?」


「二葉さん、マジで言ってます?
流石に若過ぎません?」


ナガクラさんとエイジって人の会話を聞いていて、怖くなって来る。


嘘…でしょ?


逃げないとと背を向けると、
背後から体を掴まれて。


それに驚いて、持っていたボストンバッグを落としてしまう。


「このまま後ろから、ヤッちまうか」


背後からそう聞こえたと同時に、
スカートの中に手が入って来て。


パンツを、膝辺り迄ずらされた。


「じゃあ、俺、口でして貰おうかな」


エイジって人が私の前に来て、
ズボンを下ろして、下着に手を掛けようとしていて。


背後から、ベルトのバックルを外すような、ガチャガチャとしたような音がして。


それで一瞬、背後に居るナガクラさんの腕が私から離れた。


その瞬間、私は無我夢中でそれから逃げ出し、部屋の奥の窓へと走った。


窓は開いていて、幸い、ここは二階。


そう思い下を見るけど、思ったより高くて。


ナガクラさんの方を見ると、私を追う気はないのか、その場所から動いてなくて。

ほんの少し、口角が上がった。


なんで笑っているの?


私はもう一度下を見て、意を決して、その窓から飛び降りた。


アスファルトの地面は固くて、着地後暫く足がジンジンとしていた。


上を見ると、窓は開いたまま。


だけど、誰もそこから顔を出す事も、下に降りて来て、私を追って来る事はない。


私はずれ下がったままのパンツを上げると。


この場所から離れた。