「優木まりあ!」
「は、はひぃっ」
「今日こそ言わせてもらう!」
「な、何でしょう……?」
突然ですが。
もしかしたら、アタシ、今。
告白、されてるかもしれません。
「目障りなのよ!!」
……悪い意味で。
あくる日の昼休みのこと。
校舎裏に呼び出され、向かった矢先。
なぜか、隣のクラスの女の子3人に、壁にドンッと追いやられ。
そして現在、お叱りの言葉をもらってしまった。
「好き勝手しやがって!」
「いったいどういう神経してんの!?」
「し、神経、ですか……? 神経は至って健康に働いて……」
「そういう意味じゃない! バカにしてんの!?」
「天然のフリ? 心入れ替えたって聞いたけど、キャラ変したってこと? ムカつかせる才能だけは天下一品ね」
怒ってるかと思えば、褒められた?
でも形相も、口調も、怒ってるし……。
頭の中、大パニックだ……!
この3人とは廊下ですれちがう程度の関係だったと思うけど……。
「またふざけたことぬかしたら……どうなるかわかってるよね?」
「えっと……? あ! もしかしてまた劇を――」
――バチンッ……!
「し……ッ……、え……?」
右の頬に衝撃が襲った。
じんじん、じんじん、と。
腫れたときのような熱に、侵される。
何が、起こったのか、すぐには理解できなかった。
「ふざけるなって言ったよね? うちら、遊びでやってるんじゃないから」
躊躇がなかった。
さも当然のようにアタシの頬を叩いた。
そのことをようやっと頭が理解すると、全身が震え上がった。