「ねぇ、覚えてる? 高校の卒業式の日、謝恩会をしたあとにりっちゃんがオレに抱きついたこと」
「ああ、うん、覚えてる。女子同士ハグしてたんだよね」
彼に言われて、約二年前の記憶が蘇る。謝恩会でのアキちゃんは姿も態度も女性だったから、私だけでなく皆も普通に別れを惜しんでハグしていたっけ。
「そう。そのときにオレ、初めて反応したんだよね」
「反応?」
どういう意味だろうかと首をかしげる私に、彼はきっぱりと告げる。
「勃ちそうになった、ってこと」
ぱちぱちと瞬きをした数秒後、小夏と同時に若干のけ反って驚きの声をあげた。
「たっ、勃ち……!?」
「え、ええっ!?」
「びっくりでしょ。オレもびっくりしたー」
挙動不審になる私たちを見て、アキちゃんはあっけらかんと笑っている。
待って待って……アキちゃんは男として私に性的な魅力を感じたってこと? 色気もなく、身体のメリハリも微妙なこの私に? ちょっと自信がつくかも……ってそうじゃない!
まさかアキちゃんがそんな体験をしていたなんて。ずっと女友達という認識だったから動揺しまくってしまう。



