「雪乃さんからもらったものがあるんだ。今日見るのがちょうどいいと思って」
そう言って手渡されたものは、少々古びた縦長の紙が数枚。上のほうに穴が開いていて、ひもを通せるようになっている。
「ん? これ短冊?」
「そう、六花が子供の頃に書いたやつだって。ずっと前に内容を聞いてはいたけど、現物をもらったのはついこの間」
「え⁉」
驚いて目を丸くしつつ手元を見下ろす。
〝もっとひーくんにあえますように〟
一枚目にはそう書かれていて、思わず口元が緩んだ。自分が書いたものなのに胸がキュンとする。
「私、こんなこと書いてたんだ……。これは普通に記憶にない」
「雪乃さんもよく保管してあったよな」
うんうんと頷き、タイムカプセルを開けるみたいにワクワクしながら二枚目を見る。
〝きょうだいができますように〟
その一文を目にした瞬間、ふと思い出した。私たちが義兄妹になると知った日、聖さんがたいしてショックを受けていなかったことを。
「まさか、お母さんたちが再婚するときすでにこれを知ってたとか?」
「ああ。六花の願いが叶うなと思ってたよ」
やっぱりそうだったんだ!と、したり顔をする彼を見て呆れた笑いがこぼれた。



